2022年03月13日 ~染付(江戸中期編)~
-テーマを決めて「古伊万里」についてお勉強-
・古伊万里の豆知識 ~染付(江戸中期編)~
<konabe_ruriのインスタグラムから一部転用>
■古伊万里
江戸時代の初めに日本で最初の磁器が
九州西部の肥前地方で生まれました
これを肥前磁器という
北前船に舶載された肥前磁器は
出荷港の名を取って伊万里焼と呼ばれる
江戸時代の伊万里焼は
古い伊万里「古伊万里」と呼ぶ
明治になり肥前地方に鉄道が走り
有田にも駅が出来ると
出荷地が「有田駅」へと替わり
「有田焼」と呼ばれるようになっていった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
肥前磁器を分類する場合
最も基本となるのは釉薬である
・釉が白く見えるものを「白磁」
・緑色や青く見えるものを「青磁」
・茶色やチョコレート色に見えるものを「鉄釉」
などと呼んでいる。それに加えて釉薬の下に
別の金属物質で文様を表したものを
「染付」や「辰砂」として区分
さらに釉の上に色絵具で文様を描き
再び焼いて文様を表したものを「色絵」と分類
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★本日の豆知識★
釉薬の下に酸化コバルトや含鉄土石
酸化銅等の酸化金属で文様を表したものを
「釉下彩(ゆうかさい)」と呼ぶ...
釉下彩には
染付・鉄絵・辰砂(釉裏紅)などが有る…
■染付
釉下彩の一つで
酸化コバルトを主成分とする絵具を使い
素地の上に文様を描き透明釉を施して
約1300℃で焼成し青い文様をあらわした製品…
・中国及び朝鮮➡「青花」
・英語➡「blue-and-white」ブルー・アンド・ホワイト
・日本➡「染付」
釉下のコバルトは一般に"呉須(ごす)"と呼ばれ
江戸時代には“茶碗薬"と呼ばれた…
コバルトで文様を描く技法は、
元時代後期の14世紀初頭に景徳鎮窯が開発して
発展の基礎を作ったと言われる…
日本では、肥前磁器が中国の作品を手本として
17世紀初頭から染付磁器を作り始めた…
【染付の技法】
・輪郭線を描く「線描き」
・その線の内側を塗り込める「濃み(だみ)」
・呉須を噴霧する「吹墨(ふきずみ)」
・染付地に白抜きの文様を表す
「掻落(かきおとし)」や「墨弾(すみはじき)」
「墨弾」の技法は1650年代頃から始まり
江戸時代を通じて行われた…
また、印刷の技法として
・型紙摺(かたがみずり)
・コンニャク印判
と呼ばれるスタンプ絵付けが江戸中期に流行…
青の顔料の呉須は中国から輸入したが
江戸後期にはその輸入量が減少したり
質が低下する等によって色調の変化がおこる...
-九州陶磁文化館「古伊万里の見方」を参考-
この度掲載している写真は
今まで取り扱ったものを使用しています
(一部在庫となっている商品も含む)
今回はその中より
作行が違うものを何点かチョイスしてみました...