2022年03月22日 ~糸切成形~
-テーマを決めて「古伊万里」についてお勉強-
・古伊万里の豆知識 ~糸切成形~
<konabe_ruriのインスタグラムから一部転用>
■古伊万里
江戸時代の初めに日本で最初の磁器が
九州西部の肥前地方で生まれました
これを肥前磁器という
北前船に舶載された肥前磁器は
出荷港の名を取って伊万里焼と呼ばれる
江戸時代の伊万里焼は
古い伊万里「古伊万里」と呼ぶ
明治になり肥前地方に鉄道が走り
有田にも駅が出来ると出荷地が
「伊万里港」から「有田駅」へと替わり
「有田焼」と呼ばれるようになっていった
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肥前磁器の製作技術は
朝鮮の技術者によって始められたために
1650年前後には中国の技術が入るなどして
著しい変化が見られる...
肥前磁器は基本的に陶石と呼ぶ磁器原料で
作られた「素地」と、その上に施された
ガラス質の「釉薬」からなるが、
その素地の形を作る工程を「成形」という
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★本日の豆知識★
■成形
素地土が水分を含んで
柔らかい間に器物を作る工程を成形という
成形作業のことを江戸時代には
「細工」といい、細工には
・轆轤(ロクロ)細工
(ロクロの回転を利用して形を作る)
・捻り(ひねり)細工
(ロクロを使わず型を使って形を作る)
有田皿山では、ロクロ細工を行う細工人は
「細工札」の交付を
藩から受けねばならなかった...
【素地の成形法の種類】
●轆轤(ロクロ)を使う成形
・ロクロ成形
・型打ち成形
●轆轤(ロクロ)を使わない成形
・糸切り細工成形
・型押し成形
・板作り
・ヘラ削り
・手びねり
■糸切成形
糸切り細工という成形法は
肥前陶器には見られず磁器も最初には
見られなかった...
ところが1644年から50年頃に展開された
"技術革新期"の中で
変形の小皿などの成形法として出現した...
-九州陶磁文化館「古伊万里の見方」を参考-
この度掲載している写真は
今まで取り扱ったものを使用しています
(一部在庫となっている商品も含む)
今回はその中より
作行が違うものを何点かチョイスしてみました...
肝心な高台を掲載するのを忘れましたが
"表の図柄"をお楽しみ下さいね...